2026年度の最低賃金、全国平均「55円・4.9%」引き上げ目安 + 各地域で相次ぐ「目安超え」も!

公開日 2026.08.31 更新日 2026.08.31

2026年度の最低賃金、全国平均「55円・4.9%」引き上げ目安 + 各地域で相次ぐ「目安超え」も!

毎年10月1日から順次改定される最低賃金。2026年度も引き上げに向けた動きが進んでおり、厚生労働省の中央最低賃金審議会は、全国加重平均で「55円・4.9%」の引き上げとなる目安を示しました。仮に目安どおりに改定された場合、全国加重平均は現在の1,121円から1,176円となります。

「また全国的に高水準の引き上げになる」

このような意見も多いですが、一方で、今年は例年に比べ、少し気になる動きもあります。各都道府県で審議が進む中、国が示した引き上げ目安を上回る金額を答申する地域が相次いでいるのです。

「地方の引き上げ幅の大きさのほうが気になる」

そんな意見も飛び交っている現状です。それでは、詳しく見ていきましょう。

 

気になる「地方の引き上げ幅」とは?

例えば、東京都は1,280円(+54円)、千葉県は1,195円(+55円)、埼玉県は1,196円(+55円)、神奈川県は1,279円(+54円)が答申されています。2025年度は66円・6.3%の引き上げだったため、引き上げ幅・率ともに前年よりは小さくなっています。

都道府県 2025年度 2026年度答申 引き上げ
東京都 1,226円 1,280円 +54円
神奈川県 1,225円 1,279円 +54円
埼玉県 1,141円 1,196円 +55円
千葉県 1,140円 1,195円 +55円

一方、一部の地方を見てみると、宮城県では1,098円(+60円)、秋田県では1,090円(+59円)、山形県では1,092円(+60円)、青森県では1,090円(+61円)と、国が示した56円という目安を上回る水準が答申されています。

都道府県 2025年度 2026年度答申 引き上げ
宮城県 1,038円 1,098円 +60円
秋田県 1,031円 1,090円 +59円
山形県 1,032円 1,092円 +60円
青森県 1,029円 1,090円 +61円

つまり、2026年度は「全国平均で55円上がる」という数字だけではなく、地域によっては目安を超える引き上げが行われ、地域差が大きくなっていることが特徴の一つと言えます。

 

では、企業側は今回の引き上げをどのように受け止めているのでしょうか。
日本商工会議所が2026年3月に行った調査では、現在の最低賃金について「大いに負担」「多少の負担」と回答した中小企業が76.6%に上りました。特に地方では77.9%と、都市部の69.8%を上回っています。

今回の最低賃金の改訂においても、地方の企業にとっては人件費増ですが、求職者から見ると、

「地方だから給与が低い」という差が少しずつ縮まる

方向でもあります。言い換えれば、

最低賃金の地域差縮小 → 地方求人の給与水準上昇 → 求職者の勤務地選択肢が広がる

という流れが、多少なりとも「採用への影響」に繋がるのではないでしょうか。
これは、「地方への求職者流入が増える」「地方の採用がしやすくなる」という意味ではありません。地方への移住やUIターン等、収入面におけるしがらみの緩和にはなるかもしれませんが、だからこそ地方の“採用競争力”を強化すべき時がやってきたとも言えます。

「10月1日から」とは限らない?都道府県によって発効日は異なる

最低賃金というと、「毎年10月1日から改定される」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、実際の発効日は都道府県によって異なります。2026年度についても、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県などは10月1日の発効が予定されている一方、秋田県は10月14日、福島県は10月16日、青森県は10月29日、山形県は10月30日など、地域によって発効時期に差があります。

また、「答申」とは、審議会が審議した結果として「この金額が適当」と意見を示すことです。答申された金額がそのまま最終決定になるわけではなく、その後の手続きを経て正式な最低賃金額が決定され、地域ごとに発効します。厚生労働省も、各地方最低賃金審議会が地域の賃金実態などを踏まえて審議・答申し、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定する流れを示しています。したがって、複数の都道府県で採用活動を行っている企業は、「10月になったら一斉に確認」ではなく、勤務地ごとの最低賃金額と発効日を確認しておくことが大切です。

最低賃金の改定前に準備しておくこと

例年のことではありますが、最低賃金の改定をきっかけに、次のような項目を確認してみましょう。

●現在掲載している求人の給与下限
試用期間・研修期間も含めて、改定後の最低賃金を下回っていないか、求人情報を確認しましょう。

●同じエリア・職種の求人との給与比較
自社求人だけを見るのではなく、同じエリア・職種の求人と比較することが重要です。最低賃金をクリアしていても、採用市場において十分な給与水準とは限りません。

●既存社員との給与バランス
最低賃金の引き上げによって、既存社員との給与差が縮まる可能性もあります。新しく採用する人材だけでなく、社内の給与バランスについても確認しておきたいところです。

●複数勤務地の求人
勤務地によって最低賃金額や発効日が異なるため、複数のエリアで求人を掲載している場合は、求人ごとの確認が必要です。

 

最低賃金の改定は「法令を守る指標」の一つでもありますが、『求職者がどれだけ給与にシビアになっているか』を示す指標でもあります。全国平均はもちろん、2026年度は「地方」の給与水準の引き上げ幅が大きいという点が、一つのポイント。人材確保のため、企業間の賃金競争はますます続いていくでしょう。

だからこそ、「求職者から見て、この給与条件は魅力的に映るだろうか?」という第三者の視点が必要になりますし、給与条件が拮抗した場合でも勝負できるような『採用戦略』が重要になってきます。

2026年度の最低賃金改定を、単なる給与変更のタイミングではなく、採用戦略そのものを見つめ直す機会として活用してみてはいかがでしょうか。

 

人材採用でお困りなら株式会社KRSへぜひお気軽にご相談ください。

監修者

株式会社KRS編集部

株式会社KRSでは、求人広告や人材紹介・採用実務サービスなどといった、企業様の採用活動を支援するあらゆるサービスをご提供しています。企業様にとって悩ましい人材不足を解決するために皆さんにお役立ちする情報発信を心がけておりますので、ぜひ参考にしてください!

関連記事